発達 |
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人間の発達 |
鳥の発達は留巣性(就巣性)と離巣性に分類される。ポルトマンは哺乳類にも適用し、二次的就巣性と呼んだ。人間の子供は生理的早産と概念づけた。 |
孤立要因説 |
遺伝と環境のどちらか一方が影響すると考えるのが孤立要因説。遺伝のみが影響するとしたのが双生児統制法を使ったゲゼルの成熟優位説。学習できる状態をレディネス(readiness:学習準備性)。ゲゼルと相対するのはワトソン。環境優位説。 |
加算説 |
遺伝と環境が足し算に作用するのが加算説であり、シュテルンは輻輳説と提唱した。ルクセンブルガーは輻輳説を図式化した。 |
相互作用説 |
遺伝と環境が相互に作用するのが相互作用説。ジェンセンは環境がある一定の水準に達した場合に発現するのが環境閾値説。 |
発達段階
乳児期 |
ローレンツが提唱したインプリンティング(刻印づけ・刷り込み)や原始反射が特徴的である。アタッチメント(愛着)により母子の結びつきが強くなる。不足するとホスピタリズム(=施設病)を引き起こす原因となる。エインズワースは愛着を調べるストレインジ・シチュエーション法を考案した。 |
幼児期・児童期 |
幼児に第1次反抗期がある。アニミズム、実在論、人工論が形成される。児童期になると徒党集団を形成し、これをギャング・エイジとも呼ぶ。 |
青年期 |
心理的離乳(ホリングワースが提唱)の時期を迎え、第2次反抗期が起こる。自分を見つめることでエリクソンが提唱したアイデンティティ(自我同一性)を確立していく。アイデンティティを先送りすることをモラトリアムという。レヴィンは大人と子供の間の青年期を周辺人(マージナル・マン)と呼んだ。 |
発達理論
ピアジェ |
同化と調節によってシェマが均衡化していくこと。「感覚運動期」「前操作期」「具体的操作期」「形式的操作期」 |
エリクソン |
人生周期(ライフサイクル)を8つに分け、それぞれの発達課題、特性を示した。発達課題ができるかどうかを心理・社会的危機と呼んだ。ハヴィガーストも同様に4つに分けた。 |
その他 |
ヴィゴツキーは発達を高めるため、発達の最近接領域を唱えた。道徳性ではコールバーグの道徳性発達理論がある。 |
学習理論
連合説:学習は刺激と反応の連合によって成立すると考える。
認知説:刺激によって認知機能を獲得・変化することが学習であると考える。
パブロフ |
古典的条件付け |
条件を繰り返すと、無条件反応する学習成果。レスポンデント条件付け。刺激を条件刺激、刺激におこる反応を条件反応という。 |
スキナー |
道具的条件付け |
スキナーボックスを用いて、ネズミがレバーを押せば餌が出てくると学習することを証明した。レバーを押す行為を促す餌を強化子、強化子によっておこる行動を強化という。 |
ソーンダイク |
試行錯誤説 |
問題箱で猫が試行錯誤によって刺激と反応が連合する試行錯誤説を唱えた。適切な反応は今後も続くことで効果の法則も提唱した。 |
ワトソン |
S-R理論 |
どの程度の刺激(S)からどの程度の反応(R)が生じるかを測定する。行動主義。 |
トールマン |
サイン・ゲシュタルト説 |
認知地図を形成する。外部の刺激をサインとして認知し、認知地図を形成すること。潜在学習。 |
ケーラー |
洞察説 |
知恵実験を行って、突然解決することを洞察による解決と主張した。 |
バンデューラ |
モデリング理論 |
バンデューラは他者(モデル)の行動や結果を観察することで学習が成立するというモデリング理論を唱えた。社会的学習理論あるいは観察学習とも呼ばれる。 |
教育評価
評価方法 |
特徴 |
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絶対評価 |
個人の目標や基準をもとに評価する。 |
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相対評価 |
集団内の相対的な位置で評価する。 |
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個人内評価 |
過去の成績や別の科目を基準として評価する。 |
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ブルームは、完全習得学習(マスタリー・ラーニング)を提唱。診断的評価、形成的評価、総括的評価という成績評価を行い、学習者が一定の水準以上の学力をつけることを目的としている。 |
診断的評価 |
最初の授業や学年の始まりなどで行う。 |
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形成的評価 |
学習の途中で学習状況を把握するために行う。 |
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総括的評価 |
期末や学年末に行ってそれまでの学習状況を評価し、これまでの教育活動の反省を行う。 |
成績を阻害するもの
ハロー効果 |
あるものが優れていると他のもすぐれていると判断してしまう。 |
ピグマリオン効果 |
ローゼンサールとヤコブソンが提唱。期待を持って指導すると児童・生徒は期待に沿って変化していくこと。 |
その他 |
寛大効果、論理的錯誤、単純接触効果、社会的望ましさ |
性格検査
性格検査とは |
質問紙法、作業法、投影法の3つに大別され、他にも面接法、観察法、描画法などがある。 |
質問紙法 |
矢田部ギルフォード性格検査、ミネソタ多面人格目録(MMPI)、モーズレイ性格検査(MPI) |
作業検査 |
内田・クレペリン検査 |
投影法 |
ロールシャッハテスト、TAT(主題統覚検査)、P-Fスタディ、SCT、HTP |
適応
防衛機制とは |
適応は、環境との調和を目指す過程。欲求不満の身を解消しようとするのが防衛機制(適応機制) |
種類・攻撃型・自己逃避型 |
攻撃型・攻撃、自己逃避型・退行、逃避、固着 |
種類・自己防衛型 |
自己防衛型・合理化、投射(投影)、同一視、抑圧、補償、代償、昇華、反動形成 |
発達障害
発達障害とは |
発達が何らかの要因で阻害され、精神面、運動面で問題が見られること。代表としてLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、精神遅滞、広汎性発達障害 |
LD・ADHD |
読み、書き、計算などの特融能力の習得と使用が困難な場合をLDという。じっとしていられないなどの症状が6カ月以上続くものをADHDという。 |
精神遅滞 |
18歳以前に知的発達が遅れた状態を精神遅滞という。知能指数が70以下の場合と定義されるケースもある。 |
広汎性発達障害 |
中枢神経の機能障害で代表的なものとして、自閉症、高機能自閉症、アスペルガー障害がある。必ずしも知的発達の遅れがあるわけではない。 |
チック障害と場面緘黙 |
不適応行動の一つで、激しい瞬きや手足をびくっとさせるなどの急速な筋肉の動きをチック障害、心理的にまったく話せなくなること場面緘黙という。 |